―夕方/食堂『森の真珠』―
これは……。
[オーレリアがそっと取り出した薬>>127。なぜ彼女がこれを、とオーレリアを見るが、「渡したい人がいる」ということばを聞いて思い出す。
彼女はかつて人狼の事件があった村にいたのだった。では、その相手とは……。
考えるカリュクスに、負担を問う声がかかり。そこからにじむ心配の色に、嘘をつくわけにはいかないと向き合って]
……正直なところ、今の私の力は不安定です。
治癒については、休み休み、薬の力も借りながら使うのが精いっぱい、といったところでしょうか。
でも、あのとき……それに力を注いだときは、なんだか不思議な感覚で。
うまく言えませんが。次もきっと、できると思います。
[そう、正直に答える。たしかなことは言えない。でもなんとなく、カリュクスが変わったぶんだけ、身のうちに流れる力も変わっているような気がするのだ。次はもっといいかたちで、力を発揮できるという予感があった。
それに、己のうちに潜む獣と戦っている人がいるのなら。ましてそれがオーレリアの願いならば、その人に薬を届けたいと。
それがカリュクスの、ほんとうの気持ちだった]
(156) choco 2017/08/24(Thu) 22時頃