面白い。簡単にわたくしに近付けると思うなよ。
[男が狐をやすやすと消し、そしてまたすぐに落ち着きを取り戻すのを見れば、もっと苦しみ悶える姿を見たいと幟乃の心は求めるようになります。胸は踊るのに、冷たい心がより一層寒くなるようでした。
───わたくしの退屈を、潤せ。ルシファー、君はつまらない日常に明かりをくれるのだろう?]
ならば、これはどうかな。
[幟乃の醒めるように赤い唇は不敵や弧を描きます。こちらに槍を持って向かってくる男の邪魔をしようと、ひらりと袂を翻して手を宙に浮かべます。
…ですが、先に対処したのは幟乃ではなくラピスの方でした。>>105ふわりふわりと舞い散る漆黒の花弁で、視界は遮られます。幟乃はハッとして女を見つめました。艶やかな桃色の唇が花弁を送り出し、大きな扇でそれを仰ぐ姿は何とも色気に溢れています。]
(154) 2014/12/27(Sat) 01時頃