[要らぬ心配をしていたと>>146ラディから態度と言葉両方で教えられて。
>>147名前についても何を言い出したかという様に笑われた事で抱いていた後ろめたさは全部拭われた。
それまでけして屋敷の側から離れられなかった俺は、これ以降森からも出られるようになり。
ラディの代わりに村へ薬を届けに行く事すら出来るようになっていった]
…へぇ。
あの家、そんな事があったんですか。
それはお気の毒な話ですね。
[初めて村に薬を届けにいった時は見慣れぬ男と不審に思われたものの、薬師の弟子と言えば納得された。
森の中に居るので村の事は知らないと思われたのだろう、色々世間話をされる中で俺が唯一知る家の事もあって。
村人達の中であの二人は子攫いに殺された悲劇の夫婦らしい。
家はあれからずっと空き家のまま、攫われた子も病弱だったからきっともう生きてはいないだろう、と。
目の前にいる俺がそうだとは欠片も思っていない口調で話す相手に、悲痛の色は浮かべながらも他人事の顔で合槌を打つ。
実際、以前の名を忘れラディ達と一緒にいる俺にとってもう無関係な話だった]
(153) 2018/03/17(Sat) 22時頃