―回想・201X年3月21日PM12時過ぎ・ラーメン屋への道中―
[芙蓉は本当に姉にメアドを聞くのだろうか。>>126
後で怒られたら堪らない。先回りして連絡をしておくことにした。]
年上のお姉様…って言うより煩ぇ大学生でしかないけどなあ…。
っとー、気を付けろよ。
[自分の姉に対しうっとりと語り、ついでに段差に爪先を引っ掛けつんのめるドジっこ属性。
複雑な気持ちのまま片手が芙蓉の首根っこを掴み、俺がそうしたからきっと、転倒に至らずに済んだはずだ。
調子の良くてちょっとウザくて、けれどなんだかんだで憎めないのは、誰にでも分け隔てない態度ゆえ。
屈託の無さ、人を選ばない。その長所は芙蓉だけでなく、自分以外の家族にも共通している。
家族の誰かとメアド交換などしたら、きっと仲良くなるんだろう。
俺には出来なくて芙蓉にはできる、そんな小さなことに気付いたときから、心には小さな小さな波紋が広がっている。
考えただけで一抹の疎外感が胸を吹き抜けていた。
それはヤキモチにも、妬みにも似ている気持ちだった。]*
(153) 2015/03/29(Sun) 22時半頃