[>>148粒子が自分の腕へと移ったのを眺めていると、すう、と掲げた手が下がっていく。まるで重りを乗せられた天秤のように。]
・・・魔法使い様が、お望みならば。
[腕が解放されれば、両の手のひらを見せてわざとらしく降参、というポーズを取る。彼女の手にわたった綿菓子(すでに男によって幾らか手をつけられているが)は、きっと少年の手に渡るのだろう。
甘さに飽きたから、最終的には寄越してやるつもりでいたが。
どこで聞いたんだったか、彼女は種族由来の"魔法使い"だ。
自分がたまに使うおまけ程度の魔法とは、粒子にまとった雰囲気がまるで違う。
"ありがとうございます"なんてとぼけて言われれば"どーいたしまして"と慇懃無礼に返して。
悪戯くらべは失敗に終わったものの、満足した。
いいもの見たな、という微笑を浮かべる。]
さて。
今度、その少年もつれて店に来なよ。
特別な料理を出してやる。そいつの肉を使ったヤツだ。
[冗談半分に捨て台詞のようなものを吐きながら、その場を後にしようと背を向けた。もう少し買い食いして腹を満たせば、寄り道ながら帰るつもりだ。**]
(153) 2015/01/08(Thu) 20時頃