─廊下─
[そうして今度は自分の意志で扉を開けました。
蝶美と手を繋いでいたのならやはりその手は強張ってしまったでしょうね。
だって広がっていたのは]
……これ、って、文化祭の時の…?
[あの時の思い出、ぴったりそのままの光景。
遠目でもある程度は視認できていましたが、間近で目の当たりにするとなると印象は異なり、夢でも見ているのかしらと、瞬きを繰り返しました]
ほんと…夢見てるみたい。
どういう仕組みでこうなってるんだろう。
先に行っちゃったみんな…健ちゃんと、莉緒とささらちゃんは、大丈夫かな。
堆には昴がいるからへーきだと思うんだけど……。
[先に出て行ったみんなが何処にいるのか気がかりです。
みんなを置いて先に帰ってしまおうとするなんてとんだ薄情者でしょうか。
歩く度に重くなる足はまるで鉛に拘束されているようで、沈痛な顔持ちをより濃くさせました]
(152) 2017/03/10(Fri) 23時頃