[妙に落ち着かない先導者は、まさか迷っているのか。
内情を把握せぬまま適当に放り投げた話題は歪な波紋を生み、
前を向いた甥っ子の顔が歪んだのが分かった。>>134
そんな拗ねた声を出すほど、図星だったのか。]
お前の弟は彼女を姉さんに報告してたぞ。
結婚を考えてるって、幸せそうに言ってた。
[そう、自分より1つ年下の甥っ子の弟の話を持ち出して煽り。
振り向いた甥っ子の話に、今度はこちらが不機嫌になる番。]
……フォローの仕方が下手だから、そうなる。
ツアーに行きたいじゃなくて、ぼかせばいいのに。
男前度を上げてくれた礼を言うべき、だぞ。
[引っ掻き傷には気付いていたが、ずっと無視していた。
猫にでも引っ掻かれたんだろうと言い聞かせて、見ない振り。
女の影が見えるだけでむしゃくしゃするなんておかしいだろう。
理解しているのに、厭味を紡ぐ声も低く、硬い。]
(151) 2015/11/27(Fri) 00時半頃