[簡単に今の状況を伝えたら、恵冬が、何かを堪えるように口元を抑える。>>148
たぶん、堪えたかったのは悲鳴とか、涙とか、そういうものだ。
ああ、泣いてほしくないなぁ、と、ふいに思う。
かといって、無理に笑顔を浮かべられたとしても、それはそれで何も言えなくなるのだけれど。]
……健五郎は、大丈夫。さっき、会ったよ。
[水を含んだ恵冬の呟きに、そう答えた。
何の慰めにもならないかもしれないけど、少なくとも名前の出たもうひとりは、何事もなく無事だったことを伝える。
今でも大丈夫、と答えてくれた彼女に、ありがと、と返して。]
今の状況、けいちゃんは、どう思う?
那由多や朱美ちゃんは、ここが誰かの夢で、誰かの世界だったとして。
その誰かは何を考えてるのかな。
何をすればいいのかな、って、言ってた。
[保健室の戸が開き、朱美とひなこが入ってきたのは、話が終わってからか、もしくはまだ話す前だっただろうか。*]
(151) 2015/06/24(Wed) 23時半頃