[道すがら、見掛けた影には適当な呪文を振り翳しながら。
ほとんどが意識を奪い、眠りに誘うような攻撃性のないもの。もう所属寮は気にしない。気付かぬ間に終わればいい。]
[そうして塔を登れば、談話室の入り口へ辿り着く前に目的の人影は見えたろうか。>>146]
―おぅチビすけ、おイタが過ぎるんじゃねぇの?
[いつもみたいにそう言って、わざとらしく笑ってみせようか。
攻撃の矛先が向くならば、先制して黙らせ呪文を向け返そう。]
何処目指してるか知らねぇけど、このまま降りるなら暫く静かにいけるはずだ。
…治療はその間にでもやんな。
[チラリ、と肩口を見遣ればそう言って。
おぉ労しや治してあげましょう、なんていう無償の優しさを男は持ち合わせていない。…というよりその方面の魔法は滅法駄目なのである。その点においてならこの優秀な後輩の方が上手くやるだろう、という手放しの言葉。
す、と指が示す道筋は今しがた自分が辿ってきたもの。目につく人影は全て沈めたから何もないよりはマシだろ、と言い加えて。]
(151) 2015/02/05(Thu) 02時半頃