[人の子の作り出す機械など、設計図があれば組むのは容易い。
材料の、主成分の創造は備えもった魔力で補い、後は設計通りに組み上げてやるだけ。
轟音を、硝煙を散らして、放たれたるは重い銃弾。
到底素手では扱えぬ実量の鉄筒を従えて、暗いコンクリートの上を駆けて行く。
雨は好かぬ。
元より、紙とインクで出来た身。あまり晒してはページが溶け落ちてしまうと、黒い雨を鋼鉄で遮って、行く手を阻む異形を散らして行く。
高射砲と呼ばれる部類の筒が出現したのは、比較的最近の歴史項目。
ある筈の土台は捨て、面倒な弾の補充を省き、放つ巨大な弾丸は通常より早く、早く。
異形を言葉通り『散らし』、派手な立ち回りはより一層黒い雨を引きよせて。
これでいい。
構わない。
人の子は殆ど逃げてしまっただろうが、それでも全てと言う訳では無い。
虫はより、明るい方へ。
害虫駆除には丁度いい。]
(151) 2014/11/13(Thu) 23時半頃