[ルパートの言葉>>105>>114は、憔悴した頭に突き刺さるようだった。
イヴォンという人が、素直になれないだけで、実のところ情に厚いところがあるのは、知っていた。はずだった。
それなのに彼女を疑って、票を入れた。
彼女を、殺した。
俺はどうしようもなく臆病で、薄情な人間だ。
逃げて、逃げて、守ってやるべきものまで投げ捨てて、俺はずっとそうしてきた。立ち止まるのは、きっとここが最初で、最後だ。
立ち止まれたのは、俺がいつか投げ捨ててしまった大事なものを、しっかり抱えている男に出会ったから。
そいつが人間だと、わかったから。]
俺は、俺が人間だと知ってる奴だけは何とか守りたかった。
今も…そう思ってる。
全員助けようなんて思えるほど、俺は勇敢じゃない。そうできたら、よかったんだろうけどな。
[ああ、慣れないことはするもんじゃないな。そう独りごちた。]
(151) 2018/08/01(Wed) 08時半頃