[ごぽり、と口から赤い液体が出る。ああ、これは血か。つながっている木に無理をさせすぎたようだ。とてつもない疲労感が、自身を取り巻いていた]
[しかし、その場に倒れることはなく、じ、と雪音がいる場所を見る。矢を放ったとき、何かを言われた>>145ような気もするし、あの白い人も何かを叫んでいる>>146気がする。けれど、今は何も聞こえない]
[目もかすみ始め、何かが起こっていること>>147しか認識できないでいた。でも、それでも何かが止んだとき、ふらふらと雪音に近づいて]
あなたの、お名前を聞くのを忘れてしまいました…ああ、頭に血が上っていたせいなのでしょうか…
[ぺたりと、息も絶え絶えの白い人の近くに座り込む。
ああ、なんだかこの人は辛そうだ。体をよく凝らして見ると自身が穿った矢が深々と刺さっていて]
これで、穢れは消えるのでしょうか…
[ああ、まだ息が残っている。ちゃんと殺してあげないと]
さようなら、白色の君。あなたは大層、美しかった
[す、と右手を軽くあげる。
そして雪の中からかき分けて出てきた根は、抵抗されなければ彼女の命を奪い去っただろう*]
(150) 2015/09/22(Tue) 01時頃