[ 少女の笑顔が曇っても、もう笑みを浮かべることなんて出来やしなかった。落ちた杖を拾い上げる余力さえ最早無くなって、熱と痛みを必死に耐えるだけだった身体は。 ] ………ッく、 ぁ…あ……っ![ ひゅう、と喉が鳴る。>>138向けられた杖から放たれた攻撃から自分を護る術も、かといって避ける術も存在などしていなかった。肩を、腕を、腹部を。胸を。切り裂かれた時には、痛くない場所なんか分からなくなるほど。緋色の華を鬱陶しいくらい咲かせては、息が詰まった。 ]
(149) 2016/02/19(Fri) 00時頃