[ 零される涙を唇で吸い取ってやる。やはり、美味しい。そして芽生えるのは征服欲か。]
……なー、ココ舐めていー?
[ 言いながらもう、虚ろな窪みに舌を侵入させていた。愛おしい存在に触れられる部分が増えたのなら余すところなく触れたいのだ。
拡げたのが別の男だというのは、かなり悔しい。腸を引きずり出してやりたい。彼女を傷つけるのは自身でなければ。
ああ、けれど。知る術の無いことだが、彼女から光を奪ったのが自身の所有物のナイフだったと知ることが出来たのなら、この男は少し気分を良くして嗤ったに違いない。]
はぁ……かわいー、
[ もし彼女に拒まれなければ熱っぽく息を漏らしながら二つの孔を舌先が犯していっただろう。切断された筋肉や神経がぷらんと垂れていたか、そんなのを揺らしながら壁という壁を唾液で湿らせて。こびり付いていた血液が溶けて、口内に鉄錆の味が広がっていく。「ヨーランダは、おいしいなぁ」と恍惚するのだ。
そうしている間に別の孔も犯したくなってくる。彼女の肉のない腹に熱くかたいものが当たっただろうか。それは舐めるのを拒まれて抱き合っているだけでもきっと変わらなかった。]
(148) 2016/03/05(Sat) 13時頃