[Jの胸中が読み切れず、
けれど触れられるのは嫌ではない、
でも、飲まれそうなのが怖い、甘い香りの罠かもしれない――でも、振りほどけない―この人の苦しさを、やわらげたい。
溺れる寸前で息継ぎを繰り返すように思考が浮いては沈む。
――扉の外でラルフが朧の魔手に絡め取られているのも、キルロイの症状が悪化しているのも、知らないで。]
――っわか、らない、……へん、なんです、こんな、なったこと、なくて……っ
[こんな感覚を与えて来る張本人の手にすがる。
淫液に濡れたとしても斯様に乱れたことなどなく、耐えることを選んできた身だ。]
――っあ!
[既に硬く主張する昂りを手に包まれて、
短く蜜まみれの嬌声が上がる。溢れたのはぬるつく先走り。恥じ入るように横向きの体の背を丸める。]
や、ゃ、め、っダメです、手、離し、……っ
[ 手を、汚してしまう。
感じ入るからだは正直にも、精を吐き出してしまいそうだ。Jの手に指を絡めてそれが余計煽るとも知らず* ]
(147) 2016/06/10(Fri) 09時半頃