勝手に死ぬことは認めない……か。
[おでこを擦りながら思い出すのは、それはいつかのルーカスとの中二病ごっこでのこと。
今度バイトを遅刻すれば首だと宣告されていたのもあり、どうしてもその日は早く切り上げたかった。
自分が死ぬことで世界が救われるなら、それで構わない。というか、そうでなければ自分が救われない。
そんな思いで自分が死ぬ役を提案したが、却下された。
彼はどこまでも純粋だ。
「(今は)倒れないよ」「(今は)死なないよ」何度と無く、彼に伝えてきた。言葉が足らないのは嘘ではない。
そもそも…――――]
人間最期は一人なんじゃないかな。
[生まれた時から一人だった人間は最期も一人だ。分かっている。
睫毛を伏せて、そう零す姿はどこまでも儚げ。極めつけのように何度か咳き込む。
周囲から見れば、重い病に侵された薄命な人に見えるかもしれないが、要はただの風邪気味である。]
(147) 2013/12/08(Sun) 15時半頃