ー レコード店 ー
[速攻で指の滑った呟きを消そうとして、セルフふぁぼ。
一呼吸おいて、きちんと『削除』の赤いボタンを押す。
辞書登録された顔文字が呆れたようにこっちを見ていた]
しゃいませ。
[絞り出した声はBGMにかき消された。
まさか嘘だろ、けどごきげんようなんてリアルで言って違和感ない人にはこの世で唯一1人にしか心当たりがない。
それよりも早く、あの声に耳の先が熱を持つ。
少し躊躇ってから入り口の方を向けば、案の定!
マスターちょっと俺便所、会計変わって、と振り向いたが、そこには誰も居ない。奥に工具でも取りに行ってるのだろう]
っと、お…織原センセ。お久しです。
[…まだ名前、覚えられてた。
というか俺の存在自体覚えられてた。
笑顔を作ろうとして引きつったのは、カウンターから見上げた久々に見る彼女の顔がほんのり赤くなってて、その。
蓋上のそいつが腰を上げる。やめて!座って!]
(147) 2015/11/02(Mon) 10時頃