― 共同墓地 ―
[彼の身体と心をどれだけの人が通り過ぎて、行ったのか。
生きてきた年月の長さが、己に手を届かせない。>>141
けれど、何より欲しかった。
狂うほどに愛しかった。
彼を誰より恋うていた。
この身体に、心に、己を刻み付けてやりたかった。
一瞬だって、目を離してやらない。
一欠けらも隠すことを赦さない。
このセージグリーンに忘れられぬ存在として、徹底的に彼を陥れ、篭絡する。
その為に布石を数多に置いてきた。
自己を律し、首筋の白さに目を奪われても、強請るような眼差しに頭痛を覚えても、甘える仕草で同衾を乞われても、理性を鼓舞し我慢した。>>142
子供だからなんて、酷い下手な言い訳で、その子供に邪な思いを抱いているのは他の誰でもない自分だと言うのに。
ただ、ただ、狡猾な、肉欲以上の深い欲を満たすために。]
(146) momoten 2014/02/09(Sun) 22時半頃