[Jに含ませた薬の成分は、己の血液、オークの体液、樹齢千年を超える木の樹液。
強力な催眠効果があるだけでなく、異常なまでに性欲を煽り立て、かつ持続力を持たせた特別製の薬だ。
周囲を包む淫気よりも遥かに強く発情を促し、それでいて精を吐き出すまでの時間が極端に長くなる。
その分、含んだ者の体力的・精神的負荷は必然的に高くなる。
常人であれば精根が尽きて絶命するか、或いは果ての無い性欲に精神を狂わせるか。
上級対魔忍が服用すればどうなるか、効果の程はこれから知ることになるだろう。
いずれにせよ、まともな状態でいられなくなることは確かだ。]
…………っ!!
[>>141情熱的な口付けの終わりにしては乱暴だが、己の身体能力ではJの拳を避け切れるわけもなく。
強い衝撃と共に背後に吹き飛ぶも背中に水のクッションを展開させて、壁への衝突を免れる。
>>143堕ちていた。その言葉の意味が分からないとばかり、腹を両手で抱えたまま、涙目でJを見上げる。
吹き飛ばされた衝撃で、歯で唇を傷つけてしまった。切れた箇所に滲む血を、舌先で舐め取った。
暗示はまだ、口にしない。
彼自身が己に向ける言葉を、聞きたかった。]
(146) 2016/06/07(Tue) 22時半頃