[違法、という言葉に小さく肩が揺れる。だが、それで納得するようならとっくにサインをしているだろう。
そもそもその法だって、国が定めたものではないか。
国の制度に意義があるならば、他国へ移る選択肢もある。何人かが登録を嫌がって国外へと居を移したのを知っていた。
魔女の登録制度が始まってから、そして取締りが厳しくなってから。だんだんと国に残る魔女は減ってゆき、今この国に残っているのは、何かしら事情があったり流される事を選んだ者がほとんどだ。
お前はどちらかと問われれば、わずかな沈黙と共に前者と答えるだろう。
――その理由は、人によっては一笑で済まされるものだろうが。]
…問答無用でたたき出してほしいの?
[普段なら聞く耳を持たなくなった時点で帰るのに。
珍しく挑発的に続けた男に>>139、ちり、と感情が沸き立つ。
少し離れたところに置いてあった明かり用の蝋燭の火が一瞬ゆらいで、弾けた。]
(146) 2012/10/19(Fri) 23時半頃