―職員室→エレベーター前―
しかし、田原先生はユーモアのある方ですね。
俺じゃ、あんな風に場を盛り上げるリアクション>>138なんてできませんし。
きっとね、田原先生のああゆう明るさが、生徒達を惹きつけているんですよ。
[職員室を離れ、エレベーターの前でひとりごつ。
隣の席>>136の若い教師の、気さくな様子がまぶたの裏に浮かんでくる。
あの場で実際に怪談>>126が語られたかどうかは置いておくが。
胸に込み上げてきた一つの思いが、男の頬を緩ませた]
恵まれていますよね。俺は。
[面倒見がいのある生徒達がいる。肩肘張らずに語りあえる同僚もいる。
体に少々の不便はあれど、それを補う環境が職場に整備されている。
もっとも、仮にエレベーターが作動しなくなるような事態となれば、男は即、完全な移動弱者へと陥ることにはなるのだが……今は、それは考えまい。
恵まれている。
生まれ育ったこの街で、生活を営むことができることを、何よりの幸せと感じることができるのだから]
(146) 2011/11/27(Sun) 18時頃