ー自宅ー
[全てが物珍しい様で、色々なものに食いつくので、「それは何ですか?」と聞けばだいたい教えてくれるよ、とベネットに教えたら、その通り彼は興味が向けば覚えたての言葉で質問してまわっていただろうか。
元から明るく朗らかな性質の彼が家人や近所の者になじむのは早かったかもしれない。教会でそのうち働く事になると教えたなら、皆納得しただろうか。
妹だけは、自分と彼の関係をずっと気にしていた様だが。]
ベネット少し良い?
[月の綺麗な晩、座敷に布団を敷き寝る準備の出来た彼を伴い庭へと出た。日本家屋のプライバシーのなさは異常だと思える。]
ちょっとだけ……
[黒い影が寄り添い、唇と唇が触れただろうか。自分がまだ10代だった頃の浴衣をベネットが着ている。合わせを紐解きたいのに耐え。]
早くこの家出たい……
[そう笑いながら彼に伝えた。幸せな悩みだ。これからも死ぬまで、共に、そう約束をして。*]
(145) suikei 2014/07/05(Sat) 00時半頃