―本館・B1倉庫―
[厨房から別館まで運ばれてくることはなかったらしい。
いくつかある倉庫の一つがあいていて、地下という涼しさから、腐敗も遅いだろうと運ばれた場所は其処だったよう。
対面したとき、ローズマリーは急遽作られたらしい敷布の上に寝かされていて、顔を白い布で覆っていた]
ごきげん如何、ローズマリー?
[少し拗ねたように囁き、傍へ近づく。
傍にしゃがみこんでため息をついた]
私のようにはならないと……貴女が亡霊となってしまうとは。
[冷たくなった手を取る。
生きていれば己の掌にある無数の傷にも気づけよう。
やがて言いつけどおり使用人がトレイに乗せた茶器を持ってくる。
ジンジャーのにおいがほんの僅かに感じられた。
傍らに置かれた其れに礼を言うと、あまり長居はと控えめな助言を受ける。
肩をすくめて追い出した]
(145) 2011/02/11(Fri) 14時頃