[それは黒の序文。遣い手が認めし、資格持つ者のみに与えられる再生の言葉が、少女の脳裏に、明瞭な"読める文字"として意訳と共に浮かんだ]
『Sor bafa Sa I, Dolch Ail Se`il Uar, Grauli Esli, Ah Clod`ia Sa Fabros
≪世界が朽ち果てた後、秩序は無の中に築かれた。礎は此処にあり、嗚呼再生が始る≫』
[それは、朽ち果てし虚無から、世界は幾度も再生を繰り返されてきた事を現す、セラが詠いし世界の歴史書《リライヴクロニクル》。
再生が無ければ、秩序は無の中から産まれ得ず、永劫に虚無の中を彷徨う終結となる。
この"ファブロス序文"は、此処までに幾度も遣い手達が伝えてきた、世界の危険の要約だ。
この言葉を、誰かに伝える事も、少女の胸次第。特に話すなと言う制約を加える事はなかった]
(145) 2013/05/23(Thu) 21時半頃