147 月夜ノ緋糸結ビ 


【人】 酸味探し ドリベル

[けれど、テーブルの上に残る失敗の跡を見たのかその笑みを曇らせるゆりに、ひらりと片手を振った。]

 だいじょぶだいじょぶ。
   最終的に上手に出来たでしょぉ?
  ラップ数枚くらい、気にしなくていぃよぉ。

[大したことではないと、自分は笑みのまま。
少しだけ俯く頭に、慰めるように撫でようと片手を伸ばし。

叶えば一度だけ撫でて、沸騰した鍋が小さく音を立てるとその手を離して火を止めた。
一先ず冷めないように蓋を被せておく。]

 んじゃ、他のもやっちゃおうかぁ。
     お酒注ぐか、ラップかけるか。
  ゆりちゃんがやりたい方、選んで良いよぉ。

 共同作業ってヤツ。

[残った3本の徳利を示して、ラップか一升瓶かどちらかを選ばせる。
ゆりがどちらを選んだにせよ、自分は残るもう一方を片付けるつもりで。]

(145) 2015/01/19(Mon) 04時頃

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