―→306号室―
[カーテンを閉じた暗い部屋にするり、と入り込む。電気の灯りを付ければ、其処には案外整然とはしているものの、周囲を巨大なコンピューターやパイプ等に囲まれた些か息苦しい部屋があった。
久し振りの牙城に、ほっと息を吐きながらも――、
去り際に呟かれた言葉を思い出して黙り込んで。 ]
( ……偏屈……ねえ )
[生前、唯一の『理解者』に言われた言葉を思い出して仄暗い気分になりながらも――、今更ノーリーンからのメールに気付いたけれど返さなくてもいいか、とその儘端末を放り投げた。
それから、組み掛けだったパーツを手に取って。
これは一体何を組んでいたのだろう、と思い出せば――、]
……我ながら危ないなあ
[完成させる前に迷って戻れなくなったのだから仕方ないけれど。『危険物』と書かれた金属製の棚に仕舞おうとして――、『あ』と声を漏らしたのも一瞬。その超小型のパーツは、地面に落ちると共に小規模ながらも爆発を起こしたのだった。周囲にもその爆音は聞こえたかもしれない。]
(145) 2014/08/03(Sun) 19時半頃