……保健室は、ベッド、2つあるよ。
あと、おっきめの、ソファ。
[桂一の発した、寝袋という言葉に反応して、記憶を辿りながらそう返す。>>133
数としては全然足りないだろうけど、寝袋よりはベッドの方が身体を休められるだろう。
女子や憔悴している者なんかはそっちの方がいいんじゃないのかな、とまで、考えを回すことはできなかったけれど。]
……でも、部室棟、って。
[その先の言葉は言わずに、小さく首を傾げながら、桂一を見る。
部室棟は2階の渡り廊下の向こうにある筈だった。
そして、あのマネキンは、1F廊下の隅、2Fに通じる階段の下に落ちている。
──部室棟へ行こうと思うなら、避けて通ることは、恐らく厳しいような気がする。
彼の近くにまだ、しずくはいただろうか。
いたならば、そちらにも視線をちら、と向けて。
やっぱり言葉にはしなかったけれど、確か、桂一は頭が良かったと思う。
その視線だけで、言いたいことは伝わっただろうか*]
(144) 2015/06/22(Mon) 22時半頃