ああ、その絵本
家にあるわ。
[次に彼に聞かれた質問にはあっさり答えた。]
ただ、発禁本みたいで多分再版はされないと思う。
読みたければお貸ししますよ
私が読みたくて買ったものでもないし
[以前家の片付けをしていてやっと存在に気が付いたものだ。
管理後に作られた新しい本のように見えるわりに、本屋でも見たことのない絵本だったため、調べたところ一度回収処分を受けていたことを知った。
恐らくずっと昔、商店街の誰かが自分のために買ったものの、自分も読まず買った人も存在を忘れたことで回収も免れそのまま棚の奥に突っ込まれていたものと思われた。
正直、別に本は好きではない。
この店もただ、見知らぬ親の後を継いだだけだ。]
それにしても、ヌヴィルさん、絵本にも興味がおありなんですね。
[車椅子の彼に微笑んだ。]*
(144) 2018/11/25(Sun) 21時半頃