[和やかさのある喧噪が静まらぬ中、宿の入口がまた音をあげて開いた。大きめの革袋を肩にかけ、擦り切れた布を頭から纏った男が外の陽を背に立っている。その風体はいかにも放浪者といった風だ。結社員に腕を引かれるでもなく入ってきたその男は剣呑な空気を漂わせる。]……
(143) 2018/07/23(Mon) 22時頃