[その願いすら、叶えられたのです。
喉を優しく締め付ける、その力すら、私にとっては悦びそのものです。
自分ではよく見えないそれが、どのような色をしているのか
どのような形をしているのか、
考えるだけで、そして触れるだけで
海のように深い安堵が、私を内側から宥めてくれるのです]
――――……モンド、さま
[モンデンキント様に、空にかかる満月のように
すべてを手にし、またすべてを見通す偉大な方が
私を、このメルヤを欲してくださる。
望むだけ、望んでもくださる。
その幸せに、私はただ、名前を呼んで見つめることでしか
想いを表すことが、出来ずにいました。
あまりにも、――自分ではどうしようもないほどに
その想いが強くなっていたから。
ただ、首を締め付ける、この証が
私のこの高鳴る鼓動を感じ取ってくれることを、祈るばかりでした*]
(142) 茄子 2015/08/13(Thu) 02時頃