……貴方が傷つけたのは、僕では無く、ヤナギだ。
[二人の行為、その顛末までを知るが故に、はっきりとそう告げる。頬の手はそのまま、言葉とは裏腹に優しい手付きでJの頬を撫でる。]
貴方は、傲慢で、愚かだ。
貴方が僕を傷つけたから僕が魔に魅入られた、なんて、
そんなものは、貴方の思い込みに過ぎない。
[それは正しく、己が魔に取り込まれた要因の一つではあった。
しかし、一つは所詮、一つ。それが全てでは無い。しかしそれを、Jは知らない。
また数歩、距離を詰めて。そっとJの手首を掴み、厚い胸板に額をつける。
互いの身体は触れあわず、体温を分け合うには遠く、体温を感じずにいるには近い距離。]
……J。
今度はちゃんと気分が良くなるように改良してありますから。
それとも、気に食わないのならヤナギにあげましょうか。
(142) 2016/06/12(Sun) 01時半頃