─そして庭園へ─
[いやなことを思い出してしまった。
大人気ない自分の黒歴史など思い返したところで猫も食わない。
ジェフは無駄に長い脚を館内で闊歩させながら庭園へと向かったのだ。
まさかセシルが付いてくるとは思わず、少々先にたどり着いたジェフは束の間の話を露蝶>>108と始めていた]
そんなに驚かなくたって残念ながら生きてるよ、僕は。
[今なら不謹慎にも思える笑えない冗談を口に抜かす。
そういった時ほどジェフに心の余裕がないことを彼女は知っているかどうかは分からない。
ただ、時折彼女に尋ねてみた。
ここの庭園で咲く花は誰が決めているんだい。
この花の意味は何なんだい。
オレンジ色の花が多いような気がするけれど、誰かの希望なら、教えてくれないか、なんて。
今思えば分かりやすい行動だったことだろう。
生憎とジェフの自覚は遅咲きどころの話ではなかったのだけども]
(142) 2016/07/27(Wed) 21時頃