─ ペルセウス・マーケット2週目 ─[深夜。とうに時計の短針が頂上を過ぎ、眠らぬ祭の夜が更けゆくころ][人波から少し離れた隅に立って空を見上げていた。あたりは露天のろうそくの灯りがゆらゆらと照っている。丘に比べて、近くに光が多いからか、星はほんの少しだけ滲んで感じた][顎のあたりで、両手の指先を触れ合わせた。今は素手だ。予備の手袋はバッグに入っているけれど、先週捨ててしまった黒のそれよりはつけ心地が馴染まない] ……[雑踏。売り子が客に呼びかける声。誰かの笑顔]
(141) 2019/07/31(Wed) 00時頃