─ 光放たれる少し前>>131 ─[“避けられる”──そう、思っていた。否、そのはずだった。軌道は、読めていたのだ。しかし、光が男の手を離れた瞬間、鼓膜を震わすのは神鳴の轟き。その音にびくりと肩を揺らし、一瞬の怯みを見せれば、避けたはずの光は背を焦がし肉を削ぐ] ──っあ……ぐ…………ッ!![声を、あげてはならぬ。弱みを、相手に見せては、いけないのだ。痛みを堪え唇を噛めば、じわり血が滲むほどで。地に手をつくも、そのまま薙刀を手に駆け出す。白い雷光の中、男にその姿を見られていなければよいのだけれど。相手とて手負い。ならば、今こそ打ち取るべき。力は入らぬけれど、それでも口をつく言葉>>132だけは弱りを見せぬように]
(141) 2015/09/17(Thu) 23時頃