……ッ、……やっぱり、辛いモンは辛いな…。
[ 鈍い感触が手に伝わり、漆黒の刃に緋が散る。
ごろり、と床に転がった頭を暫し見つめた後。
流れた涙を、拭い――、姉さんだったソレを拾い上げ、
崩れた胴を屋上のフェンスに凭れかけさせ。
離れ離れになった二つを、繋ぎ合わせる。。
右肩や左腕の傷が痛んで、精密に中々合わせられなかったけれど――、元の位置に戻せば、反動が遅れて来る。最初のものよりも更に視界が揺さぶられる様な感覚に耐えながら、両手を水に変えて、継ぎ目ごと――、姉さんの身体を凍らせた。
いつか、溶けるだろう。
それでも――、土に埋めるような暇も、道具も無い。
だから、氷の中で。時を止めて――。
終わりの時まで。眠っていてもらおう、と。 ]
(目を覚ませば、全てを忘れている)
(そんなセカイならば――、いい)
(141) 2014/06/14(Sat) 13時半頃