─E地区:ブティック・キサラギ─
[店のシャッターはしまったままだった。
そのシャッターを開けて、店員に持たされている店の鍵で中に入ると、電気を点ける。
3年ぶりに見た霞が薄い店内は綺麗に整頓されていて、物の位置は在庫管理や軽い配置し直しはやっていたからわかるけれど、それでもどこか懐かしく思えた。]
採寸は…しても裁断する時間とかねえから、いいか。
サイズ教えてくれれば奥から出してくるよ。
スカートは見本で幾つか長さ作ってあるから、そこから好きなの持ってってくれればいい。
[そして、サイズを教えて貰えば、一度店の奥に引っ込んだだろう。]
そういえばな。端末のにゃんこ…犬嫌いらしいぞ。
俺が犬好きって言ったら拗ねててさ。可愛かった。
[その際に、そんな裏情報を流しては、にやりと笑って。
犬派とは言ったけれど、動物全般が好きなのだ]
(140) 2014/12/08(Mon) 01時半頃