[まるで他人事の様に言う女に、半ば呆れつつ。陸と呼ぶ彼女は海に纏わる者だろうかと思い始める。
先程から香る潮騒の匂いからそうなんだろう、と。
自分が座ってた席に着き、改めて骨付き肉に食らいつく。
犬の手故にナイフやフォークは使えず、両手で押さえながら、喰いちぎる様に肉を食む。
丁度良い甘辛いソースに、香高い香辛料の匂い、肉の柔らかさと旨味が口いっぱいに広がり、思わず尻尾がぱたぱたと忙しなく動いた。
ふんふんと鼻を鳴らし、可能な限り肉を食らい、骨をしゃぶっていたら、いつの間に女は此方の背後を取っている。
そして彼女が尋ねてきたので、骨を咥えながら振り向いた。]
あぁ、言ったぞ。重いなって。
そもそも、倒れただけで地面を凹ますなをて、どんだけ重いんだ?
[女性に対して、デリカシーの欠片も無い発言を惜しみも無く答えたら。
また料理の方に向き直し、新たな骨付き肉を手に取ろうとしてた。尻尾ぱたぱた。]
(140) 2015/08/01(Sat) 21時半頃