[翻訳機の性能にやや難があるな……と思いつつ、読み取れた質問には淡々と答える。
中でぐるぐる回っている三つ目と、時折目が合う。>>123]
そう、周辺状況を探知する感覚器だ。
主には匂いや温度、風向きなどを感知するのに使う。
それから……種族名が知りたい、ということだろうか。ふむ……
[トルドヴィンの母星はどちらかというと外交に消極的であったが、多少のやりとりはあり、他の星から客人を招いたこともあった。そういう時には女王の側近だったトルドヴィンも同席した。その時に何と呼ばれていたか、記憶を探る。]
星間外交の席では、"Vespa"と呼ばれていたな。
"Vespa"の一人、トルドヴィン……ということになるだろうか。
[それは地球ではスズメバチを意味する言葉であるが、トルドヴィンはその意味を知らない。
食性から言えば"Apis"の方が適切なのだが、彼らは他の種族からの呼称をあまり気にしない傾向があった。
一通り質問に答えてから、わたしからもひとついいだろうか。と前置きして、]
……先程から気になっていたのだが。
"彼"とは誰のことを指している?
(140) 2020/08/23(Sun) 23時半頃