155 【身内】砂煙の村


【人】 許婚 ニコラス

[離れないように、ちゃんと腕を組みなおして、ひらいた扉から 教会の外へと。

大人しくおうちへの道を進むけど、どうしても あゆみは遅くなっちゃう。
 おじちゃんが速くあるこうとしたって、これだけはゆずれないよ。
  言うことはちゃんと聞くから せめて もうすこしだけ、一緒にいてね ]

――おじちゃんは、

[ぐ、って腕を引きながら おじちゃんの肩のあたりに、頭をすり寄らせて
 ぽつり ちいさな声で口をひらく ]

おじちゃんは、ぼくがきえたら ないてくれる?
 かなしんで、くれる?

[だからそんなに、触られるのを嫌がるのかなって
 そんなの、ただ ぼくの願望でしかないんだけどさ。
  それでも すこしでも 悲しんでくれたらいーな ]

ぼく おじちゃんがかなしむなら
 ぜったい、きえたりしないから ね。

(139) 2015/04/12(Sun) 01時半頃

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