[どうしたか、聞いても笛鳥は答える気配は無い。一つ、其の光景に沸々とまた黒い感情がじわり、と胸中で持ち上がる。ただ、無理矢理聞き出そうにも流石に今の笛鳥を見てそんな気は起きなかった。]
……。これくらいなら聞かせてくれないか?
一体、お前をこうさせたのは――誰だ?
[先程からの焦燥や不安、其れらが整理の付く事も無く、笛鳥の疲れ切った姿を見て、落ち着ける筈も無い。普段よりも感情の出は抑制出来ず、苛立ちや不安、その辺がごちゃ混ぜになって表面に出てたかもしれない。
其れでも、まだ笛鳥の前だから出来るだけ冷静で居ようと努めているのだが。聞き出せたら――、どうするかはまだ考えていないが。
何方にせよ、疲れている笛鳥に床で寝かせる訳にも行かないと、寝台を譲るだろう。何か聞くにしても、其れ以上は、明日。]
……くそ、
[こんな時、何も出来ない自分が歯痒くて、歯を噛み締める。笛鳥が寝たなら、今なら気付かれていないだろうと、そっと染められた髪を撫でて――、その視線は。]
(139) 2014/04/12(Sat) 02時半頃