[そして、現在。
私用か公用か、傍目に解り辛いのはそれだけ、彼が仕事人間であるからのように思えた。働き盛り、無理などしていないかと窺う視線は最小限に。]
セイルズ様もおかわりないようで何よりです
郵便局でしたらそう遠くありませんね
[逆に、此方を観察するような視線は、好きなだけどうぞ、という構え。何も面白みなぞないだろうとは思うが、雑誌編集者と執事では恐らく捉えるものが違うのだろう。
実際、彼からの取材に、依頼する上で顧客が知りたがっていることを教えてもらった心地だった。
ドラマや映画と違い、燕尾服などは希望された時くらいだとか、家財道具になるだけ指紋を残さぬよう仕事中は白手袋を嵌めている、とか。
目の前のお客様が、執事の存在など忘れたように寛いだ表情を見せた瞬間や、期待以上のサービスを提供できた時に歓びを感じる、だとか。
つい、らしくなく熱く語ってしまったのも、彼の実直な仕事ぶりに応えたいと思ったから。]
(139) 2019/07/26(Fri) 23時頃