77 守護天使は暗躍する


【人】 開放的市民 ジェニファー

[大空へと飛び立つ濡羽色の双翼。
無理に縛り留めるを止めたのはその輝きを失いたくがない為に。

けれど彼が去った居城に一人残る女の心に空いた穴は
彼が思うよりもずっと大きなもの。
沈む心を慰めてくれたのもまた彼が庭に植えた異国の草木。
春先に淡い色の花弁が舞う中、濡羽色が戻る日を待つのもまた日課となる。
決してそれを自ら口にすることはないけれど
庭の世話する使い魔がうっかり漏らす事はあるかもしれない。

この宴が終わる頃には清らかに咲き誇るだろう淡い薄紅。
彼の戻る一縷の望みをその樹に託し支えとしていたゆえに
今はその花に恋しさを覚えるほど]


 チアキが言うなら信じられる。


[信じての言葉に確りと一つ頷いた。
戯れに向けるでなく揺らがぬ想いとしてそれを綴る]

(137) helmut 2013/03/30(Sat) 02時頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】