まっ て、[ ジェットパックが普段より大きな音を立てた。背中を見送るばかりだった身体が、僅かな間だけ歩みを越える。伸ばした手は、談話室を出る大きな影>>135に伸ばされた。もし振り払われず指をかけることに成功したなら、軽い身体は巨躯を通り過ぎて前面に至るだろう。払われる、あるいは何らかの拒絶を受けるなら、別の軌道を描いて道を逸れることになる。どちらにせよ、その終着点から男の顔を、目を、見つめ。] よくは 、 なかっ た、 よ。[ ただそれだけを口にした。]
(137) 2020/08/29(Sat) 00時頃