[香取部長、ひょっとして、私のことを実は覚えてくれている――?>>123
そんな淡い期待を、けれど捨てかけた時。
予想外の方向から、彼女>>130から心当たりが返ってきた。]
え?
[一瞬、何のことだかわからず瞬いたが、すぐに気を取り直して]
えっと、はい。
ハンドメイドの通販、やっています。「リンダ」の名前で。
手編みの模様入りのセーターとか、ウールで編んだ花のヘアアクセとか。
[作品をSNSで発表するだけでなく、きちんと通販用のサイトで売りに出している訳でもあったが、それでも売れっ子なんてものではない。
その決して多くない買い手の一人が、目の前に居る。それも、先輩。香取先輩。]
え えッ、 ……あ、あう、その、その。
あ、あ、ありがとう、ござい……
[これがもし漫画なら、頭から湯気が大量に出てきている場面だ。そのくらい、赤面して硬直した。
その後きちんと私にまともに話ができたかどうかは、この時の私の知るところではなかった**]
(137) 2017/01/30(Mon) 01時頃