―待機室―
[同じ部屋にいる人たちが、それぞれの立場でそれぞれの相手と言葉を交わしている。
その内容が気になることもあるけれど、すべてを聞き取り理解するような、そんな超人的な能力などは持っておらず。
時々拾える言葉を意識の端に留めるのも精一杯。
ましてや庇護すべき子供を管理する対象として見ることを指定された今は、思考回路も混乱気味だった]
ええ、院長先生にはとても似合わない言葉だと思うわ。
いったいどんな基準で選んだのかしら……
[いまは負の感情の吸い上げがないという。
ならば自身の中にも、そういった負の感情が抑制されることなく、生まれ持ったときの状態であるのだろう]
トニーはもうすこし食べたほうがいいと、いつも言われていたぐらいだもの。
なぜかはわからないけれど……
私が貴方の管理者なのにも、意味があるのかしら。
[まだ、よくわからない。
考える時間が必要で、悩むようにしながらも、トニーの戸惑いを受け止めて、もう一度頭を撫でてから手をはなした]
(137) 2011/04/16(Sat) 23時頃