[店内に満ちる活気と酒気。
男たちが一日の労を労い合い、赤ら顔で楽しんでいる。
ホワイトカラーとは縁遠い客層だが、物珍し気な新客には気さくに声をかける。>>134
匙で掬ったウニを示し、これが旨いよ!だとか。
赤魚のグリルは名前をしらんがオススメ!だとか。
――― 彼のような品のある紳士は、店としても珍しい。
構いたがりの男らから逃れるように彼を連れ去り、店を間違えたかと自問したところでフォローが入った。>>134
我ながら現金だが、彼の好感を得られたなら気持ちも浮つく。]
もっと静かな店も知っているんですが、
その辺はハワードさんの方が詳しい気がして。
……あと、この席なら星も見えるし。
[窓から見える海は黒く、遠くには停泊している船の灯りが見えた。
街中よりずっと人工光が少なくて、天蓋の星が多い。]
(136) 2019/08/04(Sun) 16時頃