[帰ってこなかった二人を探しに行くことになり、秋野が教室のドアを開ける。
その時、何かの物音と、それに遅れるように悲鳴>>87が聞こえた。高い声は、昨日の夜に聞いたもの>>2:16と、ひどく似ている気がして。何故か、昨日、自分の背中から離れて距離を取った万里の姿が脳裏に浮かんで、足が止まった。
その間に、秋野は物音の方へ、織部は悲鳴の方へと駆けだして行ってしまっただろう。]
…ったく、何やってんだ俺は…!
[今は、余計なことを考えている場合ではないのに。頭をがしがしと掻いて、教室を出て織部の後を追うように悲鳴が聞こえた方向に向けて駆け出す。
織部の姿はもう既になかったが、向かい側から歩いてくる七尾と駒鳥の姿が目に入った。そして、聞こえてきたのは七尾が織部に向けて張り上げる声>>130]
…なあ、何があった。
しずく…万理が、どうしたんだ。どっかに行ったのか…?
[その声は、万里に何かあったんだろうと思わせるには十分で。七尾たちの方へ駆け寄り、焦る気持ちを抑えながらそう問いかけた。]
(135) 2015/06/24(Wed) 22時半頃