[資料にある罪人は、罪がそこにあるという事実そのものは当然として受け止めているように見える。
それぞれが、確実に自らの手を染めているのだ。
だがしかし、自分はそうではない。
血に飢えたでもなし、生活に困ったわけでもなし、そもそも自らの手で罪を行う必要性と衝動、そのどちらにも欠けていた。
そんな自分が、罪人として此処にいる。
果たしてそれが何年前から罪として成立していたのか、一体どれだけの人数がこの罪に関与していたのか、事の仔細も知らない自分が。]
人は、生まれるだけで罪悪だ。
産道を通る時に血に塗れるだろう。
あれは人の原罪だ。
生まれながらにして、業を、罪を背負っている。
だから、そもそも人は生まれるべきではない。
もし間違って生まれてしまったのならば、早々に刈り取ってやらなければ、ならない。
[幾度となく聞かされた言葉を反芻する。
それが正しいのか否かは分からなかったが。]
(135) 2012/04/08(Sun) 00時半頃