[>>117Jの指が精液を纏い、音を立てて啜られる様をまじまじと見てしまい、キルロイはいよいよいたたまれない気分になる。
自分もこれまで幾度もおいしいだのと言ってきたのに、言われる側の興奮を味わったのは初めてだった。]
あ…っ、まいわけ、ねーだろ……ッッ
[顔から火が出そうな気分で縋りつき、肌の密着を深くしてゆく。
触れているあらゆる箇所がキルロイの熱を煽り、声を甘くする要因にしかならない。
背中を慰撫されていても指の動きに合わせて、ひ、ぅ、と声が出る。背筋は汗を流しながらびくびくと震え、泣き震えているようにも見えるが、涙を流すことはついになかった。]
……ッリツ、リツも、そうだ…… すくえ、なかった、し、
おれ……ッ、ひどいこと、言った…っ。
――あやまり、てぇ、な
[今なら、リツの目が冷めた理由がよく分かる。
あれも確かに、リツだったのだ。
あの時は人との交わりを知らず、跳ね除けてしまったが、彼なりに時間を稼いでくれていたのかもしれないと思うと、罪悪感が募る。
――だからといって、実の弟からの愛撫を今も平然と受けられるかというと、また、別の話だが。]
(134) 2016/06/16(Thu) 23時頃