[真実を言って何が悪いのだろうか、とも言いたげな瞳で人形>>123を見つめる。
当然だ、この男にとって全ての女性は等しく醜い存在であり 生という柵から取り払われて初めて美しくなれるのだから。
……いや、女性だけに限らずーー。
男にはこの女を殺した自覚はない。恨まれているのは"殺された"ことではなく、"殺し損ねた"ことだろうと思っているほどだ。
だとしても、醜い罵声には悲しげな顔を浮かべて。]
乱暴…?……そんなことはしませんよ。
[自分のする行為はそんな俗物的なものではないと言いたげに不満を漏らす。
逃げる姿には大して気に留めず、その足はそのまま進めてしまおうか。
……リシャール氏がどうするのかは、ちらりと視界の端に認めた。
────開かぬ扉を狂ったように叩く音。
────助けて、と喚く声。
───────人形が動いて気味が悪いと、思わぬ人間がどこにいる?]
(134) 2016/03/02(Wed) 01時頃